体幹

ここが痛いんです その意味は?part2

前回、椎間孔から出た神経根が前と後ろに枝分かれしますというお話をしました。まだ見てない方はこちら

今回は、枝分かれした神経と痛みの訴えがどのようにリンクするのかを解説します。

まずは脊髄神経前枝から説明します。

椎間孔からでた脊髄神経前枝は、この図のように椎体や椎間板を半分以上取り囲んでます。

なので、脊髄神経前枝は椎体や椎間板の疼痛を感知する神経と言うことがわかりますね。

ここで押さえておくべきポイントとしては

椎体を半分以上取り囲んでいるというところの

半分以上

ここがポイントです。

半分以上ということは、脊髄神経前枝は、片方のみで両側を支配しているということになります。

両側を支配しているということは、この脊髄神経前枝に支配されている椎体や椎間板が損傷すると、痛みの訴えはどのようになるか予想がつきますか?

両側なので

損傷レベルの椎体中央部に痛みの訴えを出します。

なので、上記の写真のように痛みの部位を聞いた時に中央部を痛がるようであれば、椎体に起因した痛みや椎間板炎などが脳裏によぎると良いかと思います。

次は脊髄神経後枝の説明をします。

脊髄神経後枝は赤色で示した椎間関節に向かう枝と黄色で示した脊柱起立筋に向かう枝があります。

赤色の枝を脊髄神経後枝内側枝

黄色の枝を脊髄神経後枝外側枝

といいます。

では、まず脊髄神経後枝内側枝のお話からします。

上の図の赤い線で示した脊髄神経後枝内側枝は同側の椎間関節と多裂筋を支配します。

同側である為、感が良い人はお気づきかと思いますが、、、

脊髄神経後枝内側枝の問題、つまり椎間関節に問題が生じた際は、上記の写真のように、片方に疼痛を示す表し方をします。

また、ここで重要なことは脊髄神経後枝内側枝は多裂筋も支配しているということ!

椎間関節と多裂筋を同時に支配している為、椎間関節と多裂筋は密接な関係があるのです。

この関係性は椎間関節痛を見る上でとても重要です。

これを知らないと椎間関節痛を治す事ができない為、後々椎間関節編で解説します。

では、次に脊髄神経後枝外側枝にいきましょう。

脊髄神経後枝外側枝は図の黄色い線で示した部位です。

黄色い線を辿っていくと背中と書かれている部位(皮膚)に伸びていっているのが分かりますね!

なので、この脊髄神経後枝外側枝は背中の皮膚の感覚を感知する皮神経となるのです。

でも、脊髄からでた神経が皮膚にたどり着く前に脊柱起立筋という大きな壁にぶつかりますよね?

どうやって皮膚にたどり着くんだろう?と思いますよね。

この答えとしては

脊髄神経後枝外側枝は脊柱起立筋を貫いて皮膚に到達します!

ここで大事なポイントは、脊柱起立筋を貫いているということです!

脊柱起立筋の緊張が高くなればなるほど神経が圧迫されてしまいます。

この脊髄神経後枝外側枝はお尻まで神経の枝を伸ばします。

なのでこの神経が圧迫された時の訴えとしては

腰部から臀部までの広範囲な痛みを訴えるのが特徴的です。

脊柱起立筋が張っていて腰にさするような広範囲の痛みを訴えた場合は

脊髄神経後枝外側枝が頭によぎるとよいかと思います。

さっと学んでみていかがでしたでしょうか?

今までなんとなく痛む部位を聞いてはいたけど聞き流していたなんて事ありますよね。

でも、しっかりと知識があれば

痛みを訴える部位である程度病態の予想をつける事ができる!!

と言うことを学べましたね。

脊髄神経後枝内側枝と外側枝は何が原因で痛みを発するのか?またその治療法は?

これが気になるところですよね!

これも違う記事でしっかりと説明しますのでそちらも是非みてください!