それではまず骨構造から学んでいきましょう。
膝関節は①大腿骨、②脛骨、③膝蓋骨で構成されています。
①大腿骨遠位部の形状の特徴として矢状面上で前後方向に長い楕円形をしているのが特徴です。
形状を見ると伸展位で大腿骨顆部と脛骨顆部の接触面積が広くなり
屈曲位になるにつれ接触面積が狭くなるのがわかりますね。
つまり接触面積が広いということは安定性も増します。
このことから屈曲位での荷重は、伸展位より軟骨に局所的に力が加わり
長期的な不可や衝撃で軟骨が減少する可能性が高くなります。
また膝伸展制限があると、関節の安定性が減り、それを補うためにより筋力を使い、同じ人でも立位保持時間に差が生まれてしまうことがわかります。
②膝蓋骨は人体最大の種子骨です。
特徴としては前方の衝撃から関節を保護するのと、大腿四頭筋のレバーアーム(↔︎)を延長し筋出力の効率化を向上することが挙げられます。
難しいので大腿四頭筋が筋肉を収縮した力を矢印の長さで考えてみましょう
上の図の赤い矢印を見ると膝蓋骨があるのとないとで同じ長さですが矢印の向きが違いますね。
この差が脛骨軸に加わる力(オレンジの矢印)の大きさを変えます。そして脛骨を前方へ動かす力(ピンクの矢印)が発揮できるということです。
よって膝蓋骨は筋出力の効率化を向上させるために重要であり、それに伴い膝蓋骨の可動域も必要になることが考えれますね。
また、正常な膝蓋骨の下端は膝伸展位にて膝関節裂隙とほぼ一致します。
膝関節拘縮を認める症例で、この膝蓋骨が裂隙より遠位にあることが多くので評価で覚えておくといいと思います。
③脛骨近位部は、大腿脛部関節の間に半月板があり、関節の適合性を高めています。
脛骨顆部の関節面は内側が中央が窪んだ凹面で、外側は平坦で後方に向かうにつれて下方に傾斜しています。
よって膝関節の屈伸運動での軸回旋運動は他の組織の影響もありますが、内側が軸となり、外側の前後移動が大きくなりやすくなっています。
この構造は、膝屈伸運動の回旋運動と関係がありますが、また後で説明しますね。
膝の動きに関しては次の記事に説明します!