前回、関節包をみる為の基本をお伝えしました。
今回はその基本の考え方から臨床ではどの様に展開していくのかをお伝えします!
ですので、基本を見ていない方はまずこちらから見てください。
それでは、応用編にいきましょう!
臨床では1st、2nd、3rdのポジションで内外旋を評価し、どの関節包が硬いのかを特定していきます。
この特定をするのに、前回学んだ知識が必要なのです!
では、前回学んだ知識を臨床でどのように落とし込むのか説明していきます。
まずは、1stポジションで考えてみます。
この1stポジションの姿位では、肩関節が下垂位にあります。
前回、スキャプラ45°の姿位では全関節包の張力が均一ということをお伝えしました。
ということは、1stポジションの姿位ではスキャプラ45°の姿位から上腕が下垂しているので、この時点ですでに上方の関節包は伸張されているということになります。
仮に上方の関節包の伸張性が足りなくなっていれば、この時点で肩甲骨の代償が現れます。
どのような代償かというと
肩甲骨の下方回旋です!
なぜこの代償が生じるかというと
上図のように、上方関節包の伸張が足りない分、肩甲骨を下方回旋することにより上方関節包を近づけている為です!
なので、1stポジションをとった際に、しっかりと肩甲骨を触診し、下方回旋していないかを見ましょう。
1stポジションで肩甲骨を触診したけど、肩甲骨が下方回旋してるのか、していないのか分からない場合
スキャプラ45°の姿位から肩甲骨を触診し、そこから上腕を下垂した時に肩甲骨が下方回旋してくれば上方関節包は伸張性が足りていないということになります。
もちろん、上腕が下垂した時に肩甲骨が下方回旋したからといって、すぐさま上方関節包が硬いからだ!
とは決めつけられず、色々な原因がありますが、この色々な原因は後で解説します。
では、1stポジションで上方関節包に問題がない場合、次に内外旋をみます!
仮に内旋制限が生じていた場合、内旋をしていくと後方の関節包が伸張していくため、後方関節包が硬いということになります。
しかし、1stポジションではすでに下垂位であるため、上方は伸張位である事は説明しました。
そのため、1stにて内旋制限がある場合は、下図のように後方の中でも後上方の制限があるといえます。
1st外旋制限の場合も考え方は同じです!
外旋していくと、前方の関節包が伸張されますが、下垂位のため、上前方の関節包の伸張制限ということになります。
もちろん、これら内外旋の制限因子も多々あるので、これらの見分け方はまた後で説明します!
1st外旋の説明で結構長くなってしまいましたので、次回は2ndポジションでの評価をお伝えします!