上肢

関節包の評価 臨床編part2

前回は1stポジションの評価をお伝えしました。

今回は2ndポジションでの評価をお伝えします。

前回が理解できれば今回も考え方が同じなので、前回の記事を見てない人は理解を深めるために先に前回の記事を見てください!

では、2ndポジションの評価をしていきましょう!

この2ndポジションでは、どの部位が伸張されるかを考えていきましょう。

スキャプラ45°の姿位からまず水平外転の方向へ腕が位置する為、前方の関節包が伸張されます。

尚且つ、外転角度も90°である為、下方の関節包も伸張することになります。

なので、2ndポジションは前方 + 下方

が伸張される姿位となります。

その為、下方関節包と前方関節包の伸張性がなければ、この2ndポジションはとれません。

その中でも、この下方関節包がとても伸張性を失いやすい部位になります。

ちなみに、そもそも靭帯って伸びるの?と疑問を持つ方もいると思いますが

密性結合組織と疎性結合組織というものがあり

密性結合組織はコラーゲンが密になったもの

それに対し、疎性結合組織はコラーゲンが少ない組織です。

コラーゲンは伸びない組織なので、コラーゲンが少ない組織ほど伸びる余地はあるという事です。

アキレス腱や膝蓋腱など、力を伝達したい部位は強靭でなくてはならない為、密性結合組織となります。

ちなみに、アキレス腱伸びるじゃん?って思う人もいるとは思いますが、あれは腱が伸びてるのではなく、筋肉が伸びたり、脂肪体の滑走が良くなっているだけです。(ここら辺の話は足部partで話していきます)

アキレス腱は伸びない組織です。

話を戻します。

関節包靭帯など関節を保護しつつ、またある程度伸びた方が都合の良い組織は疎性結合組織となっています!

しかし、伸びると言っても筋組織のようにすごく良く伸びる組織ではありません。

肩関節は一周関節包に覆われています。先ほどもお話ししましたが、関節包は疎性結合組織です。

疎性結合組織はある程度伸びる組織ですがそこまで伸びるものでもないとお話ししました。

では、なぜ肩関節は大きな可動性を有する事ができるのでしょうか?

大きな可動性を有するには、疎性結合組織の伸張性では足りないため、関節包自体の体積も大きくなくてはなりません。

でも、あまり大きな関節包も邪魔になってしまいます。

なので、肩関節包はアコーディオンカーテンのように蛇腹に折り重なる事で、邪魔な体積を収容し

必要な分、このアコーディオンカーテンが引き出されながら伸張していくのです!

アコーディオンカーテン

話が少し脱線しましたので本題に戻ります。

先程、下方関節包は伸張性が低下しやすいというお話をしました!

なぜ、しやすいかと言うと…

屈曲や外転は可動域が広いので、その分アコーディオンカーテンが引き出されなければいけないのは下方の関節包ですよね?

なので、下方の関節包は体積が大きくなくてはいけない為、アコーディオンカーテンも必然と大きくなり、少したるんだ形をしています!

上図の写真のように、関節包は⭕️の部分がたるんでいます。

この部分を腋窩陥凹と呼びます。

組織は動かさないと線維化を起こします。

ちなみに

線維化とは結合組織成長因子と血管内皮成長組織というものが増えると線維化が生じる事になります!

結合組織成長因子はいわゆるコラーゲンです。

先ほどコラーゲンは伸びない組織ですとお話ししましたね!

なので結合組織成長因子が増えると可動域が低下します。

血管内皮成長因子と言うものは、未熟な血管や神経を増やすものです。

神経が増えると痛みを感じやすくなりますよね!

なので線維化した組織というのは、可動域が低下し、痛みを感じることになるのです。

痛い方の肩は挙げなくなりますよね?

我々人間は痛い部位があるとなるべく体の近くに痛い部位を近づけようとし、いわゆる守りの姿勢に入ります。

守りの姿勢

この姿勢では、肩が下垂しており、内転しています。

そのため短縮位となるのは下方の関節包ですよね?

また、痛い方の肩は積極的に挙げることはしません。

その為、下方関節包は結合組織成長因子や血管内皮成長因子が増えて線維化を起こしやすいのです。

先ほどから関節包の評価から脱線しすぎて長くなったので一旦休憩。

次回2ndの関節包評価にまいりましょう!

また脱線するとは思いますが、、、