前回、カップリングモーションを理解するための前知識として頚椎、胸椎、腰椎の関節傾斜角を解説しました。
今回はその関節傾斜角が回旋 + 側屈をなぜ引き起こすのか解説します。
まずは頚椎から解説します。
頚椎を右に回旋したとしましょう。
そうすると写真に示したように、左の関節面は45°の傾斜を上っていき、右の関節面は傾斜を下っていきます。
すると、右回旋をした際、純粋に右を向くのではなく、右に傾きながら右回旋が生じるのが想像できるでしょうか?
これを運動方向で示すと 右回旋 + 右側屈と表すことになります。
ここで、少し疑問が生まれます。
皆さん右を向いてみてください。
真っ直ぐ右を向けましたか?
なぜ、右を向く際、首が右に傾く事なく真っ直ぐ右を向けるのでしょう?
これは、第1頚椎と第2頚椎の関節である環軸関節と後頭骨と第1頚椎の関節である環椎後頭関節が機能しているからなのです。
環軸関節関節とは軸回転が出来る関節です。(下図)
第2頚椎より下の関節のような、回旋をすると必ず側屈が伴ってしまう回り方ではなく、環軸関節は真っ直ぐ回旋できる動きが出来ます。
環椎後頭関節は首をかしげる動きと頷く動きが出来る関節です。
この環軸関節と環椎後頭関節が合わされば結構自由な動きが可能となるわけです。
ですので、右を向く際、自由に動けない関節に対して自由に動ける関節ができない部分を補う動きをするわけです。
この動きを補償動作と言います。
なので、頚椎は右に回旋する時、第2〜7頚椎の動きは右回旋 + 右側屈
これだと真っ直ぐ右を向けないので
後頭骨と第1、2頚椎は右回旋 + 左側屈で補償し、真っ直ぐ綺麗に右を向けるのです。
初耳の人はお腹いっぱいだと思うので、胸椎と腰椎は次回で!
次回
カップリングモーション 解説part3